家族信託費用 5つの注意点

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家族信託費用 5つの注意点

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家族信託を行って、認知症が生じた場合に家族に財産管理を任せたい方が増加しています。近年、家族信託についてお問い合わせが増加しています。あなたも家族信託を検討しておられるかもしれません。しかし、家族信託は近時注目された制度であり、家族信託費用の相場がありません。

あなたも家族信託を利用したいが、家族信託費用がどれくらいか知りたいと思っておられることでしょう。

そこで、この記事では家族信託費用について、家族信託費用の相場や注意すべき点をまとめました。この記事を読んでいただければ、想定よりも家族信託費用が高くついたという家族信託費用の落とし穴にはまらなくてすみます。

日本を代表する四大法律事務所の相続・事業承継部門において、家族信託活用スキームを取り扱った経験を踏まえて、実務的な観点から解説します。

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目次

家族信託とは

(1)      家族信託は信頼できる家族に自分の財産の管理・処分を任せること

家族信託は財産管理の手法です。信頼できる家族に自分の財産(不動産や預貯金)の管理・処分を任せる仕組みです。家族信託は、あなたの認知症対策や相続対策に活用できます。なお、家族信託を設定するための手続きは、『家族信託手続き具体的な5つのSTEP』をご参考下さい。

(2)    家族信託のメリットは高額な費用が発生しないこと

家族信託は、あなたの家族・親族に財産管理をお願いするので、高額な報酬が発生しません。これが家族信託のメリットです。また、家族信託は成年後見制度と比べて負担も少ないため、資産家に限らず誰でも気軽にできる制度です。

ここまで読んで貰うと、信託銀行が提供している遺言信託や相続型信託サービスとは、家族信託とは全く異なることが分かっていただけるかと思います。家族信託は、信託銀行のような企業に財産管理を任せるものではないからです(遺言信託や相続型信託サービスについては別記事を参考にして下さい。)。

1. 家族信託の費用の注意点①:専門家への報酬と実費

1.-(1)      家族信託費用にどのようなものがあるか

気軽に利用できる家族信託ですが、成年後見制度と比べて新しく、家庭裁判所等の監督もありません。あなたが家族信託の利用を考える場合、家族信託費用を正しく把握する必要があります。家族信託費用は大きく分けて、専門家への報酬と実費があります。

1.-(2)      家族信託費用①:専門家への報酬とは

家族信託は、新しい制度であって柔軟な設計が可能であることが魅力です。また、信託契約は、一般的な契約ではなく、金銭消費貸借契約のように日常生活に馴染みがありません。そこで、家族信託を利用するためには、家族信託契約の作成や家族信託契約の手続について専門家へのサポートが不可欠です。

家族信託が一般に浸透すれば、ご自身で信託契約書の作成や手続もできるようになると思います。しかし、この記事を執筆している時点では、あなたがインターネットや書籍で知識を収集してご自身で家族信託を行うのは難しいと感じるでしょう。

あなたが家族信託の作成について専門家のサポートを受ければ、当然ですが専門家に対して報酬を支払わなければなりません。これが、家族信託費用①:専門家への報酬です。専門家への報酬の落とし穴について個別の落とし穴は後に解説します。

1.-(3)      家族信託費用②:実費とは

家族信託費用で意外と落とし穴なのが、家族信託設定のために実費が必要ということです。専門家に家族信託の作成を依頼して、専門家に報酬を支払えば終わりではありません。

家族信託を設定するためには、色々な手続を行う必要があります。これらの手続について家族信託費用が必要となります。家族信託の手続に要する費用は、専門家への報酬以外に実費として精算することになります。例えば、あなたが都内に不動産を所有している場合、家族信託費用の実費は数十万円単位になる可能性があります。

家族信託を依頼する時に専門家に報酬を支払って安心していたら、家族信託の手続が終わった時に高額な実費を請求されることがあります。そのため、家族信託を依頼する時に、実費を含めた家族信託費用についての目安を確認するべきです。

実費についての注意点については後に解説します。

2. 家族信託費用の注意点②:専門家への報酬の相場

2.-(1)      結論:報酬の相場はありません

家族信託費用で必要な専門家への報酬ですが、結論から申し上げると相場はありません。そもそも、家族信託を取り扱っている専門家が多くないため、この記事を執筆している時点では競争原理が働いておらず相場が存在しないようです。

また、家族信託はあなたの個別具体的な事情に即して柔軟な設計が可能です。オーダーメイドの家具や家と同じように、どこまで複雑でわがままなオーダーをするかによっても労力が異なるため、家族信託費用のうち専門家への報酬相場を示しにくい要因です。

2.-(2)      感覚的にはトータル45万円~60万円程度が目安

これは、私の個人的な感覚になりますが、家族信託費用のうち信託契約作成のサポートについて専門家への報酬相場は、概ね45万円~60万円程度だと考えています。

これは、あなたと専門家が信託契約の内容を相談して取り決め、その内容を専門家が信託契約書において実現する労力を考えると、45万円~60万円ぐらいを頂戴しないと難しいという実感に基づくものです。

2.-(3)      1億円超の資産家の場合は100万円を超えることも

他方で、家族信託は、どれだけ財産を保有しているかによって設計する労力が異なります。多くの財産があればあるほど、様々な資料を収集・検討しなければなりませんし、多くの財産をどのように管理・処分するかについて定める内容も多くなります。

従って、家族信託費用のうち専門家への報酬は、所有している財産の金額に応じて設定されることが通常です。所有資産が1億円超の資産かの場合は、専門家への報酬が100万円を超えても相場だと考えられます。

3. 家族信託費用の注意点③:コンサルティング料と契約書作成料

(1)      専門家への報酬は定め方は様々

家族信託費用のうち専門家への報酬は、様々な定め方がなされています。原則として、所有している財産の価格に応じて設定されますが、さらに、どの範囲のサポートに対する報酬かが細かく分かれていることがあります。

家族信託費用を検討する上でややこしいのは、専門家への報酬が細かく分かれているため一見すると安く思えるものの、意外と家族信託費用が高くつくということがあるためです。

(2)      コンサルティング料とは

例えば、専門家の報酬としてコンサルティング料が設定されることがあります。これは、家族信託は、柔軟な設計が可能であるものの、あなたがどのような内容にするかを判断することは難しいため、専門家が家族信託の内容を提案するコンサルティングを行う対価です。

(3)      契約書作成料とは

契約書作成料とは、家族信託の内容が決まった場合、その内容を契約書にするために必要となる専門家への報酬です。

(4)      両者を一括して検討するのが適切

しかし、あなたが家族信託を利用する場合、家族信託の内容についてコンサルティングだけ受けても意味がありません。本当に必要なのは、あなたの想いをきちんと信託契約書にすることだからです。

従って、コンサルティング料と契約書作成料を分けて検討することは適切とは言えません。専門家の報酬として、一括してどの程度の金額必要になるのかを教えて貰って検討するべきだと言えます。

4. 家族信託費用の注意点④:意外と高額な税金

(1)      どのような費用が実費となるか

家族信託費用のうち実費についてですが、そもそもどのような費用が実費になるのでしょうか。家族信託費用の実費としては、信託契約書を公正証書にする場合の公証役場に支払う手数料、信託財産に不動産がある場合の税金及び登記費用、その他郵送費等が存在します。

(2)      実費の大半は税金と登記費用

このうち、信託契約書は必ずしも公正証書にする必要はありません。また郵送費等もさほど高額になりません。家族信託費用の実費の大半を占めるのは税金と登記費用です。これらは、信託財産に不動産が含まれる場合にのみ必要となります。

あなたの不動産を家族信託の対象にする場合、不動産の名義について、あなたから信頼できる家族・親族に信託(信託登記)した旨を登記する必要があります。信託登記を行うためには、税金と司法書士に払う登記費用が発生します。

(3)      税金は、土地0.3%・建物0.4%

信託登記の税額は、固定資産税評価額を基準に土地は0.3%、建物は0.4%となります。

あなたが、東京に自宅不動産を所有しており、これを信託財産にしたい場合を考えます。仮に自宅不動産のうち、土地の固定資産税評価額が3500万円、建物の固定資産税評価額が1500万円の場合、16万5000円の税金がかかるのです。

実費というと少ない印象を持たれる方が多いのですが、家族信託費用としては意外と高額な税金がかかるので、この点は注意しておいた方が良いでしょう。

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5. 家族信託費用の注意点⑤:家族信託の導入後

ここまでで、家族信託費用が分かっていただけるかと思います。しかし、無事に家族信託を設定して終わりではありません。最後の家族信託費用の注意点は、家族信託の導入後に家族信託費用がかかる場合があることです。

(1)      家族信託は運用が大切

家族信託を設定したものの、想定より生活スタイルが変わった又は財産管理を他の家族・親族に任せたいということも少なくありません。また、家族信託は、一般には浸透していない制度であるため、トラブルを含めて新しい問題が生じることがあります。

そもそも、家族信託は、あなたにもしものことがある場合に備えて、信頼できる家族・親族に対して財産管理を任せることです。あなたが健康で無事であれば、長期間、信託を利用した財産管理を行って貰うことになります。

従って、当たり前ですが、家族信託設定までよりも、家族信託の導入後の方が長く続くのです。

(2)      家族信託導入後に生じる家族信託費用

しかし、家族信託を設定した後に、修正・変更を加える場合やトラブルが生じた場合に専門家にサポートを受けると費用が生じます。

ここで、家族信託費用について落とし穴にはまらないためには、家族信託の導入後の家族信託費用も意識することです。例えば、家族信託導入後に備えて定期的な報酬を払う方が良いのか、修正・変更やトラブルが生じた場合にのみ、その都度専門家に依頼する方が良いのかは慎重に検討するべきです。

(3)      家族信託の導入後にトラブルが生じる可能性も注意

また、家族信託を導入すると、財産管理を第三者に任せることになるためトラブルが生じる可能性があります。当初信頼していた家族・親族と関係が悪化した場合や、財産管理を任せない家族・親族からクレームがつく場合もあります。

このような場合、家族信託をサポートしたのが弁護士であれば、弁護士は紛争事案に対応することができます。しかし、司法書士や税理士は、原則として紛争事案に関与できない(弁護士法違反になるため)ことには注意が必要です。

家族信託のサポートを依頼した専門家が紛争事案に対応できない場合、弁護士に新たに依頼することになります。しかし、弁護士の大半は、信託契約を見たこともないため、紛争事案が持ち込まれた場合、適切なサポートを受けられないか最悪の場合は断られることもあります。

以上のとおり、家族信託費用を検討する場合は、導入後にどの程度の家族信託費用がかかるのかや、トラブルになった場合に対応できるのかを慎重に検討する必要があります。

まとめ

以上のとおり、家族信託の費用について注意点をまとめました。最後に重要な点をまとめておきます。

  • 専門家の報酬と実費が生じることを把握する
  • 専門家の報酬には相場がないが、感覚としては、一般の方なら45万円~60万円程度、資産家の方は100万円超
  • 実費のうち税金は意外と高額になることも
  • 家族信託導入後にトラブルが生じることも踏まえた検討が必要

この記事を見て家族信託の費用を節約していただければと思います。

アイシア法律事務所は家族信託について無料法律相談を実施しております。法律相談と見積りは無料です。正式にご依頼いただくまでは費用は一切発生しません。弁護士直通の電話による無料法律相談も行っております。まずはお気軽にお問合せください。

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