相続財産調査費用の相場と弁護士に依頼する3つのメリット

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相続財産調査費用の相場と弁護士に依頼する3つのメリット

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突然、母親が死んでしまった。こんな悲しいことはありません。しかし、死は誰にでも等しく訪れるものです、あなたのご両親にも。ただ、あなたは、ご両親が亡くなったことを嘆いているヒマはありません。葬儀や相続手続等であっという間に時間は過ぎてしまいます。

遺言書がない場合、どのような相続財産があるか分かりません。ご両親の相続では、まず相続財産調査が問題となります。あなたは、相続財産調査をどのように行うか分からない。専門家に依頼したいけれど、相続財産調査費用がどれくらいか不安というお悩みを持っておられることだと思います。

この記事では、相続財産調査費用と、相続財産調査を弁護士に依頼する3つのメリットを解説します。

相続財産調査費用の目安は、相続問題を主に取り扱っている弁護士の情報をまとめております。また、相続財産調査の実例を踏まえて解説します。

1. 相続財産調査とは

1.-(1)      相続財産調査の必要性

相続財産調査は、文字通り、あなたのご両親の相続財産を調査することです。例えば、あなたがご両親と別居して長年経過している場合、ご両親がどのような相続財産を持っているか分からないため、相続財産調査が必要です。

とくに、ご両親と同居している他の兄弟がいる場合、他の兄弟はご両親の相続財産を把握しているものの、すんなり相続財産を開示しない場合も多いです。

1.-(2)      とくに預貯金の調査は難しい

相続財産には、大きく分けて、①不動産、②預貯金、③証券(株式、投資信託等)があります。各相続財産の調査方法やどのような点が問題になるかは別記事で解説します。

相続財産の中でも、とくに預貯金は、預貯金残高のみならず、取引履歴も確認する必要があります。相続財産調査では預貯金の調査が必要となるのです。なぜなら、相続財産調査を行う上でご両親と同居している他の兄弟が預貯金を使い込む「預金の使い込み」の事案が数多く存在するからです。

しかし、相続財産調査には手間暇がかかります。また、「預金の使い込み」のように適正な支出か否かといった法律及び事実の分析を行うために弁護士に相続財産調査を依頼される方も多いです。

2. 相続財産調査の費用

相続財産調査を依頼する場合、どの程度の相続財産調査の費用がかかるのでしょうか。相続財産調査費用の目安をまとめました。

2.-(1)      結論:相続財産調査費用は20~30万円程度が目安

結論から言うと、相続財産調査費用の目安は、20万円~30万円程度です。

なぜ、このように相続財産調査費用に幅があるかというと、相続財産調査と一口に言っても、事件毎に相続財産調査に要する手間暇は異なりますし、そのため相続財産調査に必要な実費等の額も異なるからです。

2.-(2)      相続財産調査費用の内訳は、報酬と実費

相続財産調査費用は、弁護士に対して支払う報酬と事務処理に要した実費からなります。

弁護士費用は、「着手金と成功報酬」があると思っておられかもしれませんが、相続財産調査の場合は依頼時に1回だけ「手数料」を頂戴することになります。「着手金と成功報酬」は勝ち負けのある事案についての弁護士費用であり、相続財産調査は手続を行うだけなので「手数料」という弁護士費用になります。

実費等の額については、戸籍等を取り寄せるための職務上請求の費用、登記情報を取得するための取得代金、名寄帳(ご両親の所有不動産の一覧表)や預貯金の取引履歴を取り寄せるための郵便代等になります。

実費等の額は、それぞれは数十円から数百円程度のものですが、相続財産調査のために必要な資料は膨大ですので、実費等の額だけで数万円程度になることもあります。

2.-(3)      相続財産調査費用の落とし穴

相続財産調査費用を検討する場合は落とし穴にはまらないように注意して下さい。一見すると安い相続財産調査費用と思ったら、最終的には相続財産調査費用が高くついたということが少なくありません。

相続財産調査費用は、一括して報酬何万円+実費という場合(例えば、アイシア法律事務所では、一律25万円+実費等の額としています。)以外に、(i)相続財産の金額に応じて数%という定め方や、(ii)各調査(不動産の調査、預金の調査)毎に細かく料金を設定している場合があります。

しかし、相続財産調査を行うまでは相続財産の金額が分からないため、意外と相続財産が多かった場合は相続財産の金額に応じて相続財産調査費用を定めていると相続財産調査費用が跳ね上がることがあります。

また、各調査毎に細かく相続財産調査費用が設定されている場合、一見すると基本報酬は数万円程度で安く思えても、不動産の確認・預貯金の取引履歴の取り寄せ等で最後には数十万円の相続財産調査費用が発生することも少なくありません。

このような落とし穴にはまらないように、相続財産調査費用は慎重に検討されるべきだと思います。

3. なぜ相続財産調査の費用は分かりにくいのか

3.-(1)      相続財産調査を行う弁護士は少ない

そもそも、相続財産調査費用がなぜ分かりにくいかというと、相続財産調査のみを受任する弁護士が数少ないからです。

弁護士が相続案件を受任する場合、通常は、遺産分割調停事件のように相続財産の分配を請求する事件として受任します。

もちろん、遺産分割調停事件を受任すれば相続財産の調査も行います。しかし、(i)相続財産調査のみを単体で受任し、それとは別に(ii)遺産分割調停事件や遺留分減殺請求事件を受任するというのは、従来は一般的ではありませんでした。

3.-(2)      相続問題に強い弁護士が相続財産調査のみを受任している

しかし、そもそも相続財産の金額が分からなければ、どの程度の相続財産を請求するのかを決めることはできません。また、相続財産の分配で揉めていなくても、相続財産調査の方法に悩んでおられる方も多くいらっしゃいます。

そこで、相続問題に力を入れている弁護士は、遺産分割調停や遺留分減殺請求といった具体的な案件を受任する前に、相続財産調査のみで受任するようになってきています。

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4. 相続財産調査を弁護士に依頼する3つのメリット

それでは、相続財産調査を弁護士に依頼するメリットはどのようなものでしょうか。

4.-(1)      メリット①:弁護士の調査権限を利用できる

相続財産調査を一定程度ご自身で行うことも可能です。しかし、(i)いくつもの金融機関や法務局等の窓口に行かなければならない、(ii)提出書類に必要な被相続人や相続人の戸籍を集めなければならない等の手間があります。

弁護士に相続財産調査を依頼すれば、このような膨大な手間暇が必要となることはありません。また、弁護士は、他人の戸籍や住民票を取り寄せる職務上請求という調査権限を持っています。従って、他の相続人に関する資料が必要な場合は弁護士に依頼して調査を行わざるを得ません。

4.-(2)      メリット②:各種相続手続をスムーズに行うことができる

相続財産調査の後には相続手続が必要となります。しかし、相続手続は意外と面倒くさいものです。最も悩まれる点は、どの専門家に依頼をすれば良いかということです。例えば、相続税に関しては税理士に、相続登記に関しては司法書士にと色んな専門家にバラバラに頼むと、それぞれの意見が異なって大変です。

実は、弁護士は、訴訟や調停のように相続人同士が揉めた場合はもちろん、税理士のように税金を扱ったり、司法書士のように登記を扱ったりすることができる資格です。従って最初から弁護士に依頼しておけば、その後の相続手続をスムーズに進めることができます。

(弁護士法3条2項)

弁護士は、当然、弁理士及び税理士の事務を行うことができる。

(東京高裁平成7年11月29日判決)

弁護士は、弁護士法3条に基づき、登記申請代理業務を行うことができる

4.-(3)      メリット③:相続財産の分配の方針が分かる

相続財産調査によって、相続財産金額が分かったら、相続財産をどのように分配するかを話し合わなければなりません。しかし、相続財産の分配方法を決めるのは難しい問題です。

例えば、相続人が何分の1ずつ相続財産に権利を有しているのかを正しく理解しないといけません。また、他の相続人が生前にご両親から貰った財産をどう考えるか(特別受益の問題)や、あなたが長年ご両親の介護をしたことをどう考えるか(寄与分の問題)等の問題があります。さらに、他の兄弟による相続財産の預貯金の使い込みが疑われる場合、相続財産の分配にあたってどの程度戻して貰えるかを検討しなければなりません。

弁護士は、遺産分割調停事件において、特別受益、寄与分や預金の使い込みについてどのような判断がなされるかを知っています。相続財産調査を弁護士に依頼すれば、相続財産調査の結果に基き、相続財産の分配方針のアドバイスも貰えます。

まとめ

この記事で相続財産調査を依頼した場合の費用やメリットについて分かっていただけたと思います。最後に重要な点をまとめておきます。

  • 相続財産調査の費用の目安は20~30万円
  • 費用の算定方法はバラバラなので一見安く思えて意外と高いという落とし穴に注意
  • 相続財産を調査した後の手続や相続財産分配の方針も見据えた依頼を

多くの方が相続問題に直面することは初めてだと思います。だからこそ、自分で調査するのか弁護士に依頼するのか、その場合の費用はどれくらいかを慎重にしっかりと検討した上で、相続財産の調査を行っていただければと思います。

(2016年10月6日追記)

なお、相続財産の調査を行った後は、遺言書がある場合は遺留分減殺請求を、遺言書がない場合は遺産分割協議を行うことになります。『遺留分減殺請求を確実に成功させるたった1つのポイント』『遺産分割協議について知っておくべき29項目』の記事についてもご参考下さい。

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