婚約破棄慰謝料の相場と主張するべき7つの慰謝料増額理由

婚約破棄慰謝料の相場と主張するべき7つの慰謝料増額理由

婚約破棄された慰謝料相場と慰謝料増額事由7つ

婚約破棄をされた場合、婚約破棄をした相手に慰謝料を請求できます。しかし、婚約破棄慰謝料の相場には幅があります。あなたが婚約破棄慰謝料を請求する場合、どのぐらいの金額を請求するか悩まれるかもしれません。

婚約破棄慰謝料の相場は一般的には50万円~200万円程度です。また、慰謝料以外に、婚約に要した費用も損害賠償請求できる場合があります。この記事では婚約破棄の慰謝料相場や、できるだけ高額な慰謝料を獲得するための方法を解説します。

 

【本記事の執筆者】弁護士 坂尾陽 Akira sakao -Attorney at law-
  • 京都大学法学部卒業
  • 京都大学法科大学院修了
  • 司法試験合格
  • 森・濱田松本法律事務所入所
  • アイシア法律事務所設立

 

1. 婚約破棄の慰謝料相場とは?

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婚約破棄慰謝料とは精神的苦痛に対する損害賠償金であり、受けた精神的苦痛は目に見えません。婚約破棄慰謝料を考えるにあたっては、まず価値(精神的損害の程度)が分かり難いということがあります。

また、どのような理由で婚約破棄をされたのか、どの時期(婚約が成立してすぐや、挙式の直前等)に婚約が破棄されたのか等によっても婚約破棄慰謝料は大きく異なることになります。つまり、婚約破棄慰謝料の相場を一律に算定することは非常に困難であるといえます。

しかし、明確な婚約破棄慰謝料の相場と言えないまでも、統計からある程度の範囲を割り出すことできます。ある統計によれば、慰謝料の支払いがあった中では50万円から200万円の間が、半分程度を占めていると言われます。50万円以下の事例もありますが、他方でごく少数の例外を除けば500万円を超えることはほとんどありません。よって、婚約破棄慰謝料は50万円~200万円がおおよその相場と言って差し支えないと考えられます。

 

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2. 婚約破棄慰謝料の裁判例

 

現実の裁判例に即してどのような事例で高額な婚約破棄慰謝料が認められたかを分析することにします。

 

2.-(1)     婚約破棄の慰謝料200万円のもの

ケース①東京地裁平成24年7月26日判決(200万円)

婚約破棄原因は婚約成立後も被告女性が原告男性以外の男性と交際関係を続けていたことです。また、当事者は婚約までに約1年間交際しましたが、お互いに相手の年齢・婚約の有無・将来の計画などを話し合うことなく結婚を決めていた背景がありました。

ケース②東京地裁平成25年9月20日判決(200万円)

婚約破棄原因は、原告女性が被告男性と17年間結婚を求めて交際したものの、被告男性が他の女性との入籍によって婚約を破棄したことです。さらに、入籍後も被告男性は原告女性に対して、肉体関係を持ち続けようと連絡し続けていました。

 

上記裁判例は婚約破棄の理由には悪質性があると考えられますが、それでも慰謝料金額は200万円に留まっています。逆に言うと婚約破棄以外に他の慰謝料増額事由がないと、婚約破棄慰謝料は200万円を超えることは難しいと言えるかもしれません。

 

2.-(2)     婚約破棄の慰謝料300万円のもの

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ケース①東京地裁平成22年3月30日判決(300万円)

このケースの婚約破棄原因は、被告男性が原告女性の人格をないがしろにした悪質な行為を重ねたことです。原告女性は30代後半のプライベートな時間のほとんどを被告男性のために費やし、結婚を期待させられました。にもかかわらず、原告の気持ちを考えない被告の一方的な言動で裏切られたうえに中絶をさせられました。

ケース②東京地裁平成21年3月25日判決(300万円)

このケースで被告男性は、結婚に向けて妊娠と周りへの周知や手続きを行ったにも関わらず曖昧な理由で婚約を破棄しました。交際期間が8年にわたり、当事者が結婚を前提に同居し結納などの準備を進め原告女性が結婚と出産に向けて休職してその事実をまわりに伝えたのに、婚約を破棄されたのです。

それにより中絶せざるを得なくなったうえ、被告男性は婚約解消を申し出た後に態度をコロコロと変えて原告を振り回していました。

 

上記裁判例では、婚約破棄以外の悪質な行為や妊娠中絶があったことから慰謝料が300万円とされていると考えられます。

 

2.-(3)     婚約破棄の慰謝料相場に関する裁判例の分析

上記裁判例をみると、慰謝料が高額になるのは、婚約破棄された側に落ち度がなく、交際期間が長い、別の異性と交際するなど婚約破棄の実情が悪質で、当事者の周りに結婚を周知したあとに婚約破棄がなされた場合といえます。

 

3. 婚約破棄慰謝料を増額する7つの理由

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婚約破棄をされてしまった場合、婚約破棄慰謝料をできるだけ獲得するためにどのような事由を主張するべきでしょうか。ここでは婚約破棄慰謝料を増額する7つの理由について解説します。

 

3.-(1)     結婚準備の進行度

婚約から結婚をするまで段階的な準備が必要です。例えば、結納や両家の顔合わせ・結婚式場の予約・会社や友人知人への結婚の報告・新居の契約と引っ越しの準備などです。これらの結婚準備が進行していればいるほど、婚約破棄が悪質であるため、慰謝料の金額が高くなる傾向にあります。

 

3.-(2)     同棲の有無

婚約後に同棲をしていれば慰謝料増額事由となります。なぜなら、同棲は実質的に婚姻生活が始まっている状況ともいえるため、その時点で裏切るとなると婚約破棄の悪意が強いと判断されるからです。

 

3.-(3)     既に妊娠している

女性が妊娠している状況で男性から婚約破棄をされると悪意が強いと判断されるため、慰謝料の金額が高くなる傾向にあります。妊娠していれば中絶するにしても、シングルマザーとして育てるにしても女性の負担は高まってしまうことが理由です。

 

3.-(4)     婚約を機に退職している

結婚後に夫の仕事や生活を支えるつもりだったにもかかわらず、婚約破棄をされた場合は、慰謝料が高くなる傾向にあります。婚約を機に仕事を辞めるということは、会社へ結婚することを伝えたうえで退職しているため、会社の人からの目が気になってしまい精神的苦痛を強く感じてしまうおそれがあるからです。また、年齢やこれまでのキャリアによっては再就職へのハードルも高まるため、このタイミングでの婚約破棄は悪質性が高いと判断されます。

 

3.-(5)     浮気が原因で婚約を破棄した

この場合は、婚約破棄をした側に明確な婚約破棄原因があるため、慰謝料が高くなります。

 

3.-(6)     婚約成立後、長期間が経過している

婚約成立から長期間が経過しているということは、それだけ結婚に対する期待が高まっていることを示します。また、婚約期間中は他の異性と交際することはできず、プライベートの時間のほとんどを相手のために費やすのですから、長期間経過後の婚約破棄は悪質性が高いです。

 

3.-(7)     婚約破棄をされた側が結婚適齢期を過ぎてしまった

被害者が女性の場合は、出産までのタイムリミットがあります。また、出産を抜きにしても、結婚適齢期を過ぎてしまうと別の相手を見つけるのが難しくなります。婚約の事実を周知していた場合、周囲の人は婚約破棄についても知っているため、新たに交際相手を見つけることが困難となります。

 

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4. 婚約破棄による慰謝料以外の損害

 

婚約するにあたって必要となった出費などに対して損害賠償を請求できます。おもに請求できる損害賠償は以下のようなものです。

①結婚式場のキャンセル費用

②新婚旅行のキャンセル費用

③婚約指輪の購入代金

④仲人への謝礼

⑤同居用に契約した家の初期費用

⑥同居のために購入した家具・衣類などの費用

⑦退職に伴う収入減少

 

まとめ

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婚約破棄をされた場合は婚約破棄慰謝料を請求することができます。婚約破棄慰謝料の相場は50~200万円程度ですが、婚約破棄によるその他損害を含めると300~500万円程度の請求ができるケースが少なくありません。

また、婚約破棄慰謝料を増額できる事由は事案に応じて様々です。本記事で挙げた以外にも婚約破棄慰謝料の増額事由がある場合もあります。婚約破棄慰謝料を請求する場合は慰謝料増額事由をきちんと主張立証して、適正な金額を獲得できるようにしましょう。

 

婚約破棄をされた事案はアイシア法律事務所にご相談ください。法律相談と見積りは無料で対応しております。また、当事務所で対応できる内容か否かについて電話でのご相談も行っております。まずは悩まず気軽にお問合せください。

 

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